保津町の水車とまちづくり

第3回 2011年10月30日放送

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再生時間:13分59秒

※番組中の応募や告知、日程等は2011年のもので既に終了しています

取材風景
取材風景

保津町のまちづくりのシンボル・水車
保津町のまちづくりのシンボル・水車

保津町は、JR亀岡駅の北側にあり、
保津川沿いに田園の広がるのどかな町です。
人口はおよそ1,900人。
少子化が進み高齢者の人口が多い町ですが、
まちづくりの取り組みが
全国から注目を集めています。
それはどのような取り組みなのか。
大家族宣言、クルクルトントン、クルベジ。
3つのキーワードから探ります。

キーワード1:大家族宣言

柿谷昌伸(レポーター)×武田慶美(パーソナリティ)

柿谷:保津町の入り口には大きな看板があり「いま出会えたあなた、あなたは私たちの家族です」と書かれています。保津町はこの「大家族宣言」をスローガンとして取り組んでいます。その特徴は、保津町の人が第二子を出産すると祝い金とお米がもらえるという制度で、町を挙げてお祝いします。町の人全員が家族であるという意識の表われです。
武田:住んでいる方、訪れた方、みなさんが一つの家族、ということですね。
柿谷:そうですね。それが保津町で進むまちづくりの核となっています。

キーワード2:クルクルトントン

保津町自治会会長 塚田勇さん(聞き手:柿谷昌伸)

——(水車の音)この水車は保津橋を渡り、保津町に入るとすぐに見えてきます。

塚田勇さんインタビュー収録風景
塚田勇さんインタビュー収録風景

水力で粉を挽く、水車の内部
水力で粉を挽く、水車の内部

塚田さん:保津町は保津川が横に流れていて、常に氾濫して周辺一帯が水害に遭ったわけです。だから保津町は、保津川の水害との戦いの歴史を何百年間ずっと続けてきた。ところが平成10年に桂川の上流に日吉ダムができましてね、以降、水害はなくなったし、町並みの整備はできたんですけども、少子高齢化がどんどん進んできて、年々町から子どもの声がなくなってって、活気がなくなってきていることに、みんなが気がついてきたんですね。水車は保津町のシンボルで、この町から愛宕さん(愛宕神社)に向けて流れる愛宕谷川沿いに、約10基があった。その水車は、保津町の経済や産業を支えてきた動力源であったと。動力が水力から電力に変わって、残っていた水車もなくなってきた。それをなんとか復活させていきたいなということで、里の中に水車をつくって、それを拠点にしてまちおこしをしていきたいというのが動機ですね。

キーワード3:クルベジ(クールベジタブル)

創柿谷昌伸(レポーター)、クールベジタブル農業体験塾参加者

保津町で行われた農業体験塾
保津町で行われた農業体験塾

柿谷:クールベジタブルとは、管理が放棄された竹林などから伐採した竹を炭に変え、堆肥と混ぜて土に埋める農法でできた野菜のことです。竹や木は二酸化炭素を吸収しますが、枯れてしまうと二酸化炭素は空気中に戻ってしまいます。しかし炭にして地中に埋めることでそれを防ぐことができます。これに関するクールベジタブル農業体験塾というイベントが、先頃行われました。
参加者:二酸化炭素を減らす取り組みを交えた農法だったんで、ああ、そういうところまで考えられているんだな、と思いました。体験としてわかることが、子どもたちもよかったですね。

共生のヒントに満ちた保津町の農業

京都学園大学バイオ環境学部 大西信弘准教授

「多様な生物と人が共生する社会を実現する」ということを亀岡でどう実現していくか、環境問題は実践だと思います。稲作をやっている世界は、水田で米をつくって、その周辺で雑草や魚を採って食べる、ほぼ完結した生活があるんですね。つまり稲をつくれば、ほかの生物たちもそこで育って、人間の資源になるくらいの生産性を持つということです。亀岡に、今でもアユモドキなどの天然記念物やいろんな希少生物がうまく残っているのは、亀岡の農業文化が自然と共生してきたからでしょう。地方大学にとって重要なのは、地元と一緒にやって、地元を活気づける仕事だと思う。そういうことをしながら、土地の恵みをうまく生かしたような未来像が描けたらいいですね。保津町はその舞台でもあるし、さまざまなヒントを持っているんじゃないのかな、と思います。

出演

  • 塚田勇さん(保津町自治会会長)
  • 大西信弘准教授(京都学園大学バイオ環境学部)
  • クールベジタブル農業体験塾参加者の方々
  • パーソナリティ:武田慶美
  • レポーター:柿谷昌伸、上山貢平

制作スタッフ

  • ディレクター:上山貢平、柿谷昌伸
  • 取材:上山貢平、柿谷昌伸、高橋昭人
  • 編集上田久人、福本愛子
  • 取材協力:保津町自治会

リスナーからのメッセージ

亀岡市・てるてるさん

保津の愛宕川沿いに10基の水車が回っていたことに感動しました。自然の動力が生活を支えていた、その光景を一度見てみたかったなあと思います。

東大阪市・まさはしあつこさん

保津地区は、どんな人も温かく迎える大きな家族のような地域をめざしておられるのですね。水車の音を聞かせてもらって、ほんと、私も行ってみたくなりました。

4打席連続三振さん

クールベジタブルも画期的な試みですね。保津のクルベジが全国に広がれば、温暖化ストップにもつながるので、期待しています。

モノ申すおじさんさん

まちづくりにかける地域の方々の心意気、一番大事にしなければならないことに気づき、主体的に「こんなまちにしたい!」という思いを現実にしていく。ただただ感動です!