若者と農業

第4回 2011年11月6日放送

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再生時間:13分59秒

※番組中の応募や告知、日程等は2011年のもので既に終了しています

亀岡平和音楽祭でデビューしたKT0771-
「長澤農園」ガラス温室での取材風景

ここ丹波にはたくさんの農地があり、京野菜など質の高い農産物を生産することで、京都の台所として、世界に誇る食文化を支えています。
その一方、高齢化や市場開放問題などにより、この地の農業も大きな曲がり角を迎えています。
今回は、若い農業家にスポットを当てて、徹底した現地取材と座談会を通して、丹波の農業の、現在と将来について考えます。

コンピュータ制御の水耕栽培

水耕栽培農家「長澤農園」 長澤環さん(聞き手:槌田敦喜)

——ガラス温室に地下水をポンプで引いて水耕栽培をする「長澤農園」に来ています。温室の中は雑草一つない整然とした空間が広がっていて、一面土の畝ではなく発泡スチロールの容器が並び、たくさんの穴からトマトやキュウリ、レタス、ホウレン草が顔を見せています。ここでは何をされているんですか?

「長澤農園」でのインタビュー風景
「長澤農園」でのインタビュー風景

ハウスの中で水を使ってお野菜を栽培しているので、病気が充満しないように、またおいしいお野菜をつくれるように、温度とか湿度をコンピュータで制御しております。

——農業を始めたきっかけは?

もともと大学の事務をしてたんですけれど、母の足が痛くなってしまったので、主に出荷とか経理の手伝いをしています。家が西別院にあり、自然に恵まれたところですので、新鮮でおいしいお野菜ができるんではないかと、たぶん父が始めたんですが……。毎朝トマトを採るんですけど、昼間でしたら、お客さまが大阪方面や京都方面からも来ていただいて、トマト狩りもしていただいています。

家族に安心して食べさせられる野菜を届けたい

有機栽培農家 平井孝彦さん(聞き手:槌田敦喜)

平井孝彦さんの農地でインタビュー
平井孝彦さんの農地でインタビュー

——自然の循環を大切にした農業を営む平井さんは、5千平方メートルもの広大な畑に、何とたった一人で、年間80品目もの野菜を栽培されています。畑のまわりにはネットが張りめぐらされていますが、これはなんですか?

もともとここは鹿の通り道になっていて、その対策のためにネットを張りました。今はアライグマがうろついていますので、罠を仕掛けています。野菜セットを宅配しているので、常に10種類くらいは収穫できるような作づけをしています。僕の考え方としては、自分の子どもにこのタマネギを食べさせるとしたら、そこに農薬を使うかどうか。農薬を使うのは効率と、「商品」として売るためですよね。でも僕は、自分の家族に、ほんとうに安心して食べさせられるようなものをつくりたいと考えています。

夢のある明日の農業に向けて─座談会より

水耕栽培農家「長澤農園」 長澤環さん + 有機栽培農家 平井孝彦さん + 花と野菜農家 桂幸光さん + 農事組合法人「うるる」理事 石田充央さん(聞き手:槌田敦喜)

——農業をされていて、儲かりますか?

「若者と農業」座談会風景
「若者と農業」座談会風景

長澤さん:スーパーなどに卸してまして、従業員さんたちの給料を払えるぐらいにはなっています。
平井さん:一応食べていけています。農家は「売り物」やなくて、「食べ物」をつくらないとダメやと思います。だから僕は、自給自足を考えて農業をしています。
桂さん:食べてはいけます。最悪、自分の家でつくったものを食べればいいので、食いぶちには困らない。ただこの先農業全体の成長を考えると、家族経営だけでは、やはり未来はないかな、と感じています。
石田さん:売り手は業務として、年間同じ単価で、まとまった数を毎日出してほしいと希望します。そこをクリアするのがむずかしかった。うちは今20人ほど従業員がいますが、数がまとまれば十分食べていける商売です。

——大学のOBで、今年3月に脱サラされた桂さんに、農業のこれからを伺いました。

桂さん:今やっているわれわれが、夢を持たんとあかんなと思ってます。市場開放の問題など、今日本の農業はピンチですが、いろんなことに挑戦して、われわれがピンチをチャンスに変えて、夢を持ってやっていく。夢を見せるような仕事をすることで、若者を呼び込んでいきたいですね。

出演

  • 長澤環さん(西別院水耕栽培農家「長澤農園」)
  • 平井孝彦さん(亀岡市旭町有機栽培農家)
  • 桂幸光さん(京都学園大学OB、農家)
  • 石田充央さん(農事組合法人「うるる」理事)
  • パーソナリティ:武田慶美
  • レポーター:槌田敦喜

制作スタッフ

  • 企画・ディレクター:槌田敦喜
  • 編集:福本愛子、上田久人
  • 取材:槌田敦喜、武田慶美、井上耕作、高橋昭人
  • 音声:知念夕貴
  • 記録:蜂谷和樹

リスナーからのメッセージ

亀岡市/太田広さん

私も休日耕作しています。初めて仕事をしたとき、「サラリーマンでよかったなー」と思いました。すごく体力を使う割にはリターンが少ない。カンカン照りでたいへんでも明日に回せません。でも若い人が農業に従事されていると聴いて感激しました。

アフロがチャンピオンさん

いろんな理由で、いろんなことをめざしながら、農業に打ち込む若者たちの姿が見えました。頼もしいと同時に、一所懸命打ち込むことのすばらしさを感じました。

てるてるさん

今日の放送は少し残念。水耕栽培について、なぜそんな耕作ができるのかなど、農業従事者の知恵と工夫についてもっと教えてもらいたかった。

東大阪/まさはしあつこさん

食料自給率の低過ぎる日本、将来が非常に不安ですよね。後継者問題は切実ですが、農業に就いてくれる若者がいるのがうれしいです。