船頭の妻

第5回 2011年11月20日放送

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再生時間:13分57秒

※番組中の応募や告知、日程等は2011年のもので既に終了しています

保津川下りの船を操る船頭・豊田知八さん
保津川下りの船を操る船頭・豊田知八さん

亀岡の三大観光の一つ「保津川下り」は、熟練の船頭さんの巧みな操船技術で岩をすり抜け、亀岡から嵐山に至る16kmの急流を下ります。
スリル満点のこの川下り、今回は船頭さんではなく、その奥さんにスポットを当てました。
400年の歴史を持つ保津川下りを家庭で支えた彼女たちの目から、船頭さんの世界を垣間見ます。

400年の伝統を受け渡す、船頭という仕事

保津川下り船頭 豊田知八さん(聞き手:知念夕貴)

——船頭さんの仕事でいちばん大切なことはなんですか?

保津川下り
保津川下り

どんな自然状況でも安全に操船して、嵐山にお客さまを送り届けることがまず大前提で、そのために操船の技術を磨くこと。そこが大事ですね。観光船のイメージが強いですが、江戸時代は、丹波地域の豊富な農産物を、京都に送り届ける輸送船やったんですね。そういったものを安定して供給するために、400年の間に先人たちが操船技術をつくりあげてきたわけです。その伝統を受け継いで、後世に伝えていく。そういう伝統産業であって、自らが伝統のバトンランナーだということ。それが誇りかな、と思います。

「お父さんは、がんばってるなぁ。」

船頭・豊田知八さんの奥さん 豊田恵美子さん(聞き手:知念夕貴)

船頭・豊田知八さん・恵美子さんご夫婦
船頭・豊田知八さん
恵美子さんご夫婦

勤務形態が決まってなくて、順番通りに、今日は昼に船が行けそうだとか、朝一番に行けそうだとか、見計らって行く感じですね。お客さんがもし来なかったら、仕事せずに帰って来ることもあります。自然は、人間の計り知れへんところがいっぱいあるでしょう。たとえ普通の水のときでも「まさか」が起るかもしれない。だから、いつも注意深く仕事をしなければいけなくて、緊張感はすごくあると思います。

——船頭さんの奥さんでよかったと思うことは?

家族のふれあいは、ほかの家より多いと思いますね。子どもたちも、小さいときから船頭の仕事を見に行ったりしているので、お父さんはがんばってるなぁと、とても尊敬していると思います。子どもにとってはすごくいい環境だと思いますね。

——船頭の妻として、しなくてはならないことってあるのでしょうか?

師匠となる船頭さんには、丸々2年ずっとついてもらう先生なので、一番最初に夫婦であいさつに行きました。師匠は、「船頭はほんまに自由やけれども、体調管理もすごい大変やし、金銭的なこともちゃんとしっかりやってあげなあかんねんで。長く続けていけるように、しっかりと支えていくように」と言ってくださいました。

昔の船頭の暮らしは、気楽でゆったり

元船頭の奥さん 伊豆田美千代さん(聞き手:知念夕貴)

——現役当時の暮らしぶりはいかがでしたか?

元船頭の奥さん 伊豆田美千代さん
元船頭の奥さん
伊豆田美千代さん

今みたいにせつろしい……せかせかとした生活と違ごて、ゆとりのある生活やったですね。水道あらへんですやろ、井戸から水汲んでお風呂を入れたり。ガスもあらへんから、山へ行って柴刈りしてきて、柴負って帰ってきて、それを燃やしてご飯炊いて……そやからお金がいらへんです。今やったら、目さめてトイレ行ったらもうお金いりますやん。水も流さならんしね。そやし、ゆとりのある生活いうのんか、気楽な、ゆったりした生活やったですね。

——体力勝負の船頭さんを支えるお弁当を作られた

私が来たのは昭和32年ですやろ、来た頃はおじいさんはまだ行李弁当やったです。するめをしゃっと水に濡らしてお塩を塗って、それを焼いてご飯とご飯との間に挟んで。熱いご飯に挟むから、食べはる頃には柔らかくなっとるそうですよ。その時うちのダンナも25歳ぐらいで、その人らは浅い四角いアルミの弁当箱に、ちょこちょこっといろいろとおかず入れました。ほとんど船頭さんは、そんなおかずしてはったんと違いますか。

豊田知八さんから奥さんへのメッセージ

元船頭の奥さん 伊豆田美千代さん(聞き手:知念夕貴)

奥さんはほんとに家計をやりくりするのは大変だと思うんですけど、しっかり計画的にやっていく工夫と努力をされておられるなと、日々感謝している次第でございます。

出演

  • 豊田知八さん(保津川下り船頭)
  • 豊田恵美子さん(船頭・豊田知八さんの奥さん)
  • 伊豆田美千代さん(師匠世代・元船頭の奥さん)
  • パーソナリティ:武田慶美
  • レポーター:知念夕貴

制作スタッフ

  • ディレクター:知念夕貴
  • 企画:近藤晴夫
  • 編集:上田久人

リスナーからのメッセージ

亀岡市/こももさん

面白いタイトルでした。夫婦が一心同体、共同体といった風潮が、亀岡らしいと思いました。

取締ラレ役フリーターさん

夫婦の何とも言えない、ホノボノ感がいいですね。伝統を重んじる心と家族の絆を大切にする気持ちが、ヒシヒシと伝わってきました!

アフロがチャンピオンさん

船頭さんの「妻」にインタビューというなんとも新しい企画で、楽しく聴かせていただきました。保津川下りへの愛着がまた少し、増えたような気がします。

亀岡市/てるてるさん

城下町の水、保津町の水車、今回は保津川下りと、全放送に共通して水がエネルギー源であるというテーマが見えたようで、おもしろかったです。