伝統を受け継ぐ丹波の子どもたち

第4回 2012年11月18日放送

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再生時間:14分00秒

※番組中の応募や告知、日程等は2012年のもので既に終了しています

夏祭り・佐伯灯籠で演じられる人形浄瑠璃
夏祭り・佐伯灯籠で演じられる人形浄瑠璃-

丹波には多くの伝統芸能が残されています。
その保存伝承の担い手として、今、子どもたちを育成する取り組みが盛んです。
京丹波町質美地区にある質美八幡宮の曳山行事。
亀岡市の薭田野神社、御霊神社、若宮神社、河阿神社の夏祭り・佐伯灯籠で行われる子ども人形浄瑠璃。
ふたつの伝統芸能の今を通して、子どもたちに文化を伝える難しさをレポートします。

イントロ「京都・丹波EXPO2012」会場より

曽我:今回はスタジオを飛び出しまして、私、亀岡市内にあります生涯学習施設「ガレリアかめおか」に来ております。じつは今年10月28日に開催されました「京都・丹波EXPO2012」の会場に来ているのです。会場には、もう一人のレポーターの達富さんもいるはずですが……。達富さーん!
達富:はーい。とても賑やかでしょう。会場には参加地域から、多数の子ども伝統芸能が参加しています。ただ、各地域には悩みがあります。それが後継者不足です。大人から子どもへの伝承をどのように取り組んでいるのか、ふたつの祭を通して、そのようすをご紹介したいと思います。

子ども不足に悩む質美八幡宮の曳き山

——京丹波町質美地区。ここでは毎年体育の日に、質美八幡宮の曳き山行事があります。ミニ祇園祭とも呼ばれ、府の無形民俗文化財に指定されています。(お囃子の音)

質美八幡宮、子ども保存会による神楽
質美八幡宮、
子ども保存会による神楽

質美八幡宮のお囃子。女の子が屋台で太鼓を叩く
質美八幡宮のお囃子。
女の子が屋台で太鼓を叩く

達富:ここでの子どもたちの役割は太鼓の演奏です。太鼓の指導をされた大西弘二さんによりますと、口伝、いわゆる口頭で音頭を取って、先にリズム感を覚えさせる。こういう指導法をとっておられるそうです。ここの地域でも祭の課題があるようです。質美八幡宮前総代の大西修さんと、現総代の室正男さんにお聞きしました。
大西さん:当時はどこの集落とも男の人しか、子どもも男性しか参加できなかったんです。だんだんだんだん(子どもが)少なくなってきて、で、女性の方も女の子らも入ってもらってやってもらわなんだら、もう人数が足らんというようなことになってきたんが、そうやねぇ、20年もはならんですけれど、15・6年ぐらいは前からかな、というように思いますけど、はい。
室さん:まぁ、これから先どうしようかなというのが、ものすごい頭悩ますとこですわ。小学校1年生とか、2年生、3年生ももうおらんようになってきたさかいね。この地域に住んでもらったらたいへんありがたいんやけどねぇ。やっぱし伝えていくのが難しいと思うねぇ。何とか続けていけたらいいなと思うています。

子どもたちに残してほしい記憶

——(子ども人形浄瑠璃の声)。佐伯灯籠では人形浄瑠璃が披露されます。間口およそ180cmの大きさの大灯籠を舞台に上演されるもので、浄瑠璃の語りと三味線、それに人形遣いが一体となって繰り広げられる伝統行事として知られています。

人形浄瑠璃をみごとに演じる子どもたち
人形浄瑠璃を
みごとに演じる子どもたち

曽我:この日のために薭田野神社で人形浄瑠璃の練習をしている子どもたちを取材しました。(子ども人形浄瑠璃練習の音)
みちすけさん:三味線を弾くときの芸名で「みちすけ」といいます。(子どもたちは)去年より今年の方が多いですね。学校の取り組みもあるかと思いますけども。まぁ今の場合、楽しく習うという気持ちでやっております。あんまり深く、後継者とかね、保存やというようなことは、そんなに考えてへんとちゃいますか、この年齢は。
曽我:今年初めてですか?
男の子A:はい。人形を動かすところが難しいです。
曽我:浄瑠璃は楽しいですか?
男の子B:今どきはゲームとかやけど、これは自分で人形動かしたりして楽しいです。
女の子A:人形を自分の手で、首とかも動かせるところが楽しいです。
曽我:大人になっても続けていきたいですか?
男の子C:うううう、えっと……、は、はい(笑)。
みちすけさん:この子どもたちが、いかにこの今の記憶を残してくれるか、そういうことにかかってくると思うんですよね。

出演

  • 大西 修さん(質美八幡宮 前総代)
  • 室 正男さん(質美八幡宮 現総代)
  • みちすけさん(佐伯灯籠・人形浄瑠璃の三味線の先生)
  • 佐伯灯籠・人形浄瑠璃の練習に励む子どもたち 厳
  • パーソナリティー:曽我裕貴
  • レポーター:曽我裕貴、達富弘之
  • ナレーター:福正奈未

制作スタッフ

  • 企画・ディレクター:曽我裕貴、近藤晴夫
  • 音声収録:曽我裕貴、近藤晴夫、上田久人
  • 編集:上田久人、福本愛子

リスナーからのメッセージ

亀岡市/てるてる

よい放送をありがとうございました。伝統芸能の継承と発展は本当に難しいものなんですね。厳しい現実がよくわかりました。地元の人たちの熱意で今はなんとか続けられているけれど、お話を聞くと未来を描きにくいのだなあと思いました。実際に伝統を担う子供たちが少なくなっているという基本のところが崩れていってしまっている。ともかく、今回の放送のように問題点を意識して、伝統を守る姿勢をもつよりほかないのかなあと思いました。

東大阪市/まさはしあつこさん

Do!たんばラジオ様
毎年、体育の日に「質美地区」のお祭りがあるのを初めて知りました。ミニ祇園祭りなんだそうですね。
一度、行ってみたいなぁと思いました。
どこの地区でも後継者不足だそうで、伝統芸能を存続させて行くために、子どもたちに教えておられる様子が、伝わって来ました。
長く伝えられて来た文化を、ぜひ未来にも受け継いで行きたいですね。

亀岡市/太田広

少子高齢化は伝統芸能にも波及しているのですね。身近なところでは町内の役員、自主消防団、各種ボランティアの役員になり手が少なくなってきているのとおなじですね。
人から人へと引き継がれる伝統芸能の保存は特に難しいと思います。工学であれば図面で、音楽であれば楽譜で、文学であれば本で残せますから。文化を残す努力が感じ取られました。今回は特に映像で見られなかったのが残念でした。
団塊の世代である私たちの時代は逆に多すぎて競争が大変でした。「よそ見していたら馬鹿を見た、夢は夜開く」の競争、弱肉強食の時代でした。嘘のようですね。時代は変わりました。「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」です。
次回の放送を楽しみにしています。

番組制作スタッフからのメッセージ

市民スタッフ/中井隆さん

人と接する機会が少ないので、若い人とのコミュニティの場を与えてもらい、幸せです。

市民スタッフ/宇古悦子

私たちにとって学生さんたちは孫くらいの年齢ですが、そんなふうに思えないですね。自分も若返れたようで、うれしかった。

市民スタッフ/高橋昭人

今回は現場に出かけて番組レポートも務めるなど、貴重な経験を積むことができ、とても楽しかった。

市民スタッフ/上田久人

地元でも知らない話題があり、楽しく編集のお手伝いができました。これからも期待したい。