『クイール』から10年 盲導犬の今

第1回 2014年2月2日放送

番組再生はこちら!

再生時間:13分59秒

※番組中の応募や告知、日程等は2014年のもので既に終了しています

関西盲導犬協会にて、盲導犬パーチェと佐藤遙佳ナレーター
関西盲導犬協会にて、盲導犬パーチェと佐藤遙佳ナレーター

公益財団法人 関西盲導犬協会(京都府亀岡市犬飼)
公益財団法人
関西盲導犬協会
(京都府亀岡市犬飼)

「Do! たんばRadio」第1回のテーマは盲導犬。
京都学園大学がある亀岡市内に位置し、映画「クイール」の舞台ともなった関西盲導犬協会。
2004年の映画公開から10年を経た今、盲導犬の育成の現場はどうなっているのか。
盲導犬に対する私たちの理解は進んだのか。
小学生時代にこの映画制作に協力したというディレクターが、協会が運営する盲導犬総合訓練センターを取材します。

1頭の訓練に、約300万円!!

久保ますみさん(右)にお話をうかがう和田レポーター
久保ますみさん(右)にお話をうかがう
和田レポーター

福正:今年も「Do! たんばRadio」が始まりました。京都学園大学は2015年から京都・太秦にも進出し、亀岡とダブルキャンパスとして開設を予定しています。そこで4年目の「Do! たんばRadio」も、大学内にあるラジオスタジオと京都市内にある京町家キャンパス「新柳居」からダブル発信していきます。今回は盲導犬の今をテーマにお届けします。取材をしてくれた和田君は、映画「クイール」とは縁があるそうですね。
和田:はい。当時私は小学5年生でした。学校に映画監督の崔洋一さんが来られて、走るシーンで出演することになったんです。しかしその映像は使われず、替わりに盲導犬の絵を描いてほしいと言われ、そして、何と私の絵がみごと映画のエンディングロールに載ったのです。機会があったら映画を観てください。(犬の鳴き声)盲導犬は犬の種類が決まっています。ラブラドールとゴールデンレトリバーです。なぜこの二種類だと思いますか?
福正:やっぱり賢いからですか?
和田:賢いのもそうですが、環境に適応する能力が高く、人間と仕事をするのが大好きです。そして体の大きさが、人間を安全に誘導するためにちょうどいいサイズです。年間におよそ60頭を育てて、盲導犬になれるのが13頭から15頭です。1頭にかかる費用はおよそ300万円と、多大な金額がかかります。

視覚障害者にとってかけがえのない存在

街中での盲導犬の歩行訓練
街中での盲導犬の歩行訓練

佐藤:関西盲導犬協会は亀岡市曽我部町犬飼にあり、およそ30頭の訓練犬がここで暮しています。協会職員の久保ますみさんにお話をお聞きしました。
久保:盲導犬の育成が日本で始められたのが昭和32年で、それから比べれば理解は格段に進んでいると思います。でもまだまだの状態で、それは盲導犬に対する理解が不足しているだけでなくて、盲導犬を使っている視覚障害者に対する理解が、やっぱりまだまだ十分でないと感じることが多いです。
佐藤:(盲導犬訓練の声)盲導犬になるにはおよそ1年の訓練期間が必要です。スケジュールは、朝は8時に食事と犬舎の掃除、9時に地域に出掛けて訓練、そして16時半に晩ご飯となっています。盲導犬歩行指導員の小芦英知さんにお話をお聞きしました。
小芦:その方にとってパートナーを組んでいる盲導犬というのは、歩行を誘導しているだけのものではなくて、かけがえのない存在だというところが非常に大きいです。街の中を歩いておられる姿を見ても、一心同体になって歩いておられるという見方をみなさんにしていただければな、と思います。

ユーザーと盲導犬のとても深い絆

協会の入り口に立つ見学会の案内
協会の入り口に立つ
見学会の案内

佐藤:(見学会の音声)関西盲導犬協会では毎月1回見学会を開催し、回を重ねる毎に申し込む人が増えてきているということです。この日は盲導犬利用者の講演もありました。(講演者の声:電車に乗っているときとかに、声は勝手にかけないでほしいんです……)盲導犬パーチェの利用者、中川智弘さんにお話を伺いました。
中川:この盲導犬使うようになってから、いろんな人とのふれあいが増えて、そのへんがすごく変わったというか、楽しいことのような気がします。
佐藤:最後に職員の久保さんに、印象に残ったエピソードをお聞きしました。
久保:盲導犬は10歳になったら引退をします。あるユーザーさんは一頭目の犬が引退して次の犬との共同訓練に入ったら、一切引退した犬のこと聞かなかった。私はドライな人なんだろうなと見てたわけです。そうしたらね、2年か3年経ったぐらいに急に引退した子に会いたいと言うんですよ。で、会ったんですね。引退した犬をがしっと抱いてね、わんわん泣くんですよ。というぐらい、盲導犬と盲導犬を使っている視覚障害者の関係というのは、ものすごく深いものがあるなと、いつも思いながら見ています。
和田:もし今後、盲導犬とユーザーの方を見かけたら、このラジオのことを思い出してもらえればうれしいです。

出演

  • 久保ますみさん(関西盲導犬協会職員)
  • 小芦英知さん(関西盲導犬協会盲導犬歩行指導員)
  • 中川智弘さん(盲導犬「パーチェ」の利用者)
  • キャスター:福正奈未
  • レポーター:和田智之
  • ナレーター:佐藤遥佳

制作スタッフ

  • ディレクター:和田智之
  • 映像・音声収録:和田智之、佐藤遥佳
  • ミキサー:上田久人、福本愛子
  • 協力:公益財団法人 関西盲導犬協会

リスナーからのメッセージ

東大阪市/正橋敦子さん

関西盲導犬協会は、資金面など、今後の課題も多いとのことでしたね。盲導犬を連れた方のお話が聞けたのが、普段は交流する機会もない私たちにとっては、とてもよかったです。

南丹市/太田広さん

1頭育てるのに300万円と聞いてびっくりです。友人の飼うゴールデンレトリバーも訓練次第では盲導犬になるのでしょうか。でも、人間も犬も「鉄は熱いうちに打て」で、もう手遅れなんでしょうね(笑)。

番組制作スタッフからのメッセージ

和田智之(人間文化学部1回生)

初めての自分で企画する番組に、最初はどうすればいいのかわかりませんでした。そんな状況を助けてくれたのが先輩やチームのスタッフ、そして市民参加のみなさんでした。構成などにもアドバイスをいただきました。取材先では僕の知識と大きく違うことにもぶつかり、顧問の先生からは、取材の仕方や心構えも教えていただきました。インタビュー中に感情移入して泣いてしまって、修業不足だと思いますが、取材の中でいろんなことがわかってきたし、多くの人たちともふれあえたことが、とても楽しい経験でした。