蕎麦からきわめる新しい京都らしさ

第3回 2014年3月2日放送

番組再生はこちら!

再生時間:14分03秒

※番組中の応募や告知、日程等は2014年のもので既に終了しています

京都市西京区・桂にある「隆兵そば」外観
京都市西京区・桂にある「隆兵そば」外観

中村隆兵さん
中村隆兵さん

千二百年の歴史をもつ古都・京都。
その「京都らしさ」とは何かを考えます。
2012年、和食はユネスコの文化遺産に登録されました。
京料理はその長い歴史を通じ、和食の伝統を創ってきました。
西京区・桂の桂離宮近くにある「隆兵そば」は、和食のコースに大胆に蕎麦の魅力を取り入れたメニューで、伝統を大切にしつつも、新しい京都らしさを模索しています。
店主・中村隆兵さんを京町家キャンパスにお招きし、一味違う京都らしさについて、お話を伺いました。

打ちたてのかけそばお土産の蕎麦茶スィーツ
打ちたてのかけそばとお土産の蕎麦茶スィーツ

「隆兵そば」から現地中継?

京町家キャンパスにて中村隆兵さん(中)にインタビューする舞田レポーター(左)
京町家キャンパスにて中村隆兵さん(中)
にインタビューする舞田レポーター(左)

福正:あれっ、今スタジオには私一人? 吉野さん、舞田さん、何してるんですか。本番始まってますよ、どこにいるんですか。
吉野:はい、私たちは今、桂にある「隆兵そば」さんに来ています。いきなりですが福正さん、京都といえば何が思い浮かびますか?
福正:えっと、京都といえば……、八ッ橋、宇治茶、京料理。
吉野:はぁ、食べ物しか出てきませんね。でも昨年和食がユネスコの無形文化遺産に登録されました。今日は京料理を通して、その和食に迫っていきます。
舞田:今から「隆兵そば」さんに入ろうと思います。あっ、入り口前にメニューが置いてありますね。コース料理にお蕎麦が取り入れられているんですね。
吉野:そうなんですよ。店主の中村さんは創業120年の和菓子屋さん「中村軒」のご子息で、9年前に「隆兵そば」を開店されました。なぜ蕎麦に目をつけたのか、さっそくお話をお聞きしたいと思います。
舞田:(店の扉を開く音)盛り蕎麦、盛り蕎麦、盛り蕎麦、盛り蕎麦……。

いちばん自然体でいられる場所で……

打ち立ての蕎麦を前に「おいしい!」の一声をどう言うか、苦労する吉野(左)・舞田レポーター
打ち立ての蕎麦を前に「おいしい!」の一声を
どう言うか、苦労する吉野(左)・舞田レポーター

舞田:「隆兵そば」とはどのようなお店ですか?
中村さん:お蕎麦を中心として、季節の和食をコース仕立てにしてお出ししております。今やってるのは三種類のお蕎麦と、川魚、野菜を組み込んだコースで、最後お菓子という流れでやっております。
吉野:なぜ桂という土地で、桂じゃなきゃダメ、ということがあったんでしょうか。
中村:まぁ、いちばん大きいのは水です。やっぱり。いい井戸水が出るということですね。あとまぁ、自分の生まれ育った所で仕事をするっていうのは、いろんな感覚を感じやすい体になっているとは思うんですね。自分がいちばん自然体でいられる場所で仕事をするっていうのが大事かなぁ、という思いがありますね。
吉野:蕎麦でこだわっていることは?
中村:メインになるのが盛り蕎麦なんですね。盛り蕎麦は十割蕎麦といいまして、つなぎを使わない、蕎麦粉と水だけでつくったお蕎麦ですね。これをお出ししております。鰹節は毎日削るんですけれども、うちは鰹節のね、芯の部分だけを使っておダシを取ります。そのときに、素材と話をしながらおダシを取っていくことを注意してやっております。
舞田:今日は特別にお蕎麦を打つところを見せてもらえるんです。(以下実況)今、私たちの前にはかけそばがあります。(蕎麦をすする音)うわぁ、おいしいですねぇ。

外れすぎない、でもたまには冒険

京都学園大学ラジオスタジオでレポーターを迎える福正キャスター(右)
京都学園大学ラジオスタジオでレポーター
を迎える福正キャスター(右)

福正:今、二人は何をしているのでしょう。舞田さん、吉野さん!
吉野:はーい。ここからは京町家キャンパス「新柳居」に場所を移してお送りします。
舞田:隆兵さんが思う京都らしさとは?
中村:続けるということがまず、京都らしいなと思います。(続けていくためには)京都というフィルターを通すってことなんです。これをやっていいのかなぁ、ダメなのかなぁ、っていう基準になるようなことですね。僕の場合は「京都」のあと「桂」というフィルターを通して、京都の桂でやっていい料理、やったらあかん料理、それを考えて……。やっぱりその土地で仕事をしていくというのは、無理があると結局続かない。「らしさ」から外れすぎないように、でもたまにはね、ちょっと冒険してみたり。
舞田:「隆兵そば」さんでは蕎麦という持ち味を発展させて、蕎麦茶ジャムや焼菓子などをさまざまに研究しているんですね。ところで福正さん、蕎麦茶ジャム、味わいたくないですか?(扉が開く音)蕎麦茶ジャム、持ってきましたよー。
福正:うわっ、びっくりしたー。はい、ありがとうございます。いただきまーす。

出演

  • 中村隆兵さん(京都・桂「隆兵そば」店主)
  • キャスター:福正奈未
  • レポーター:吉野将史、舞田有希

制作スタッフ

  • 企画・ディレクター:吉野将史、舞田有希
  • 映像・音声収録:櫻井大督
  • ミキサー:上田久人、福本愛子
  • 企画協力:君塚洋一
  • 協力:林紗矢子(京町家キャンパス)

リスナーからのメッセージ

南丹市/太田広さん

京都+桂というフィルターを通すことと、地産品を使われている点がすばらしい。さすがは京料理です。創業9年、120年の老舗となるように頑張ってください。一度行かせていただきます。

東大阪市/正橋敦子さん

人から人へ、ずーっと受け継がれて来た「伝統」は、お金では買えない値打ちですからねぇ。「ここでずーっと、変わらずやって行く」という姿勢に、京都で生きる、暮らす人の「誇り」を感じました。

番組制作スタッフからのメッセージ

吉野将史(人間文化学部3回生)

ラジオは音だけで伝えなければなりません。たくさんの音を取るために何度も「隆兵そば」さんに通い、蕎麦を打つ音やすする音まで録りました。経験もなかったのですが、仲間がいたことでがんばれた。自分の番組が放送できて、普段できない経験となりました。

舞田有希(人間文化学部2回生)

特に印象に残っているのは、「隆兵そば」さんでかけ蕎麦を食べて「食レポ」した時のこと。どうすれば味をうまく伝えられるか、意識して挑んだのに、うまくコメントできなかったこと。自分の力不足を痛感するとともに、音で伝える難しさを学びました。