亀岡の霧――11階建て校舎が消える!?

第1回 2010年10月3日放送

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再生時間:13分50秒

※番組中の応募や告知、日程等は2010年のもので既に終了しています

霧に消えたバイオ館(上)と霧の晴れたバイオ館
霧に消えたバイオ館(上)と霧の晴れたバイオ館

亀岡をはじめ丹波地方は霧が多く発生することで知られ、「丹波霧」と呼ばれています。毎年11 月から1 月にかけて発生する深い霧。亀岡に位置する京都学園大学でも、この時期になると不思議な光景が見られます。11 階建ての巨大な校舎、バイオ館がすっぽりと霧に包まれ、幻想的なイメージを醸し出すのです。この時期、学生たちのあいだには「バイオ館が消える!」といううわさが飛び交います。どのようにして消えるのか、自分の目で確かめたいと思い、沖縄からの交換学生が、ゼミの仲間とともにカメラで捉え、レポートしようと企画しました。沖縄では見る機会のない霧がバイオ館を覆い尽くす光景は、彼女の目にどのように映ったのか、また地元の人たちは、霧とどのようにかかわりあって暮らしているのか。霧が発生するメカニズムの解説を交え、学生の目線から「亀岡の霧」の実像に迫ります。

うわさ通り、ほんとうに消えたバイオ館

謝花友子(レポーター)

部活の先輩が、秋から冬にかけて霧が発生して、11階建てのバイオ館を消してしまうといううわさがあるって言ってたんですけど、それがきっかけでした。実は私、沖縄出身で、霧って見たことがないんですよ。霧を撮影してみたいという強い興味がわいて、取材してみようと思いました。たいへんだったことは、やっぱり自然を相手にする撮影だったので、いつそれが消えるとかわからないじゃないですか。朝も早起きして、カーテン開けて、「消えてない」、「あぁ今日は消えなさそう……、じゃあ撮影中止ね」とかやったりしてました(笑)。取材も初めての経験でしたから、ディレクターとして、みんなに指示を出すのもたいへんでした。でも、ほんとうに消えてましたね。実際に撮影して、沖縄ではない光景が広がっていて「あぁ、ほんとうにバイオ館が消えてるわぁ」って、とっても感動しました。

亀岡の霧、その発生のメカニズムを探る

気象予報士 小原由美子さん

空気中には水蒸気がたくさん含まれていて、冷やされると無数の小さな水滴として空気中に浮いてきます。霧とは、それが地上付近にたまって見通しが悪くなっている状態のことをいいます。ちなみに、目の高さからの水平距離が1km未満を霧、1km以上10km未満を靄として区別してます。なぜ亀岡では濃い霧が、しかもよく発生するかというと、まず地形が挙げられます。盆地のため冷たい空気がたまりやすく逃げにくく、空気中の水蒸気が水滴になりやすい。また亀岡を流れている桂川から水蒸気がより多く補給され、それも原因になると思います。

毛嫌いしなくてもいい、そんなふうに思えるようになりました

亀岡在住36年の主婦 岩本修子さん

レポーターの謝花友子と岩本修子さん
レポーターの謝花友子と岩本修子さん

私は京都生まれなんですけれども、亀岡にまいりましたのは6月でしたので、霧のことなんて一切知らずにこちらへ引っ越してまいりました。11月頃になりまして朝起きたときに、ちっとも夜が明けませんので、表を開けてみましたら、もうそれこそすごい霧で「ひやあ」ゆうて驚いたぐらいなんです。それからずっと霧に悩まされてきました。いちばん困りますのは、お洗濯物が乾かないということ。一日のあいだに太陽の光が半日はないというのが、私、すごく悔しいという思いがいたしました。今はだいぶましになりましたけども、昔なんかはほんとに毎日が霧の中でしたので、「もうこんなところはいやや、京都に帰りたい」と何回か思いました。

霧の日は少し早く出ないと電車が遅れたりしますので、出勤される方がたもやはり気をつけておられるみたいですね。私たちみたいに何もしていない者は、霧って邪魔ですけども、お茶とかお野菜をつくっておられます方は、やはりその霧があってのいいお茶ができ、いい京野菜ができるみたいですので、それを聞きましてからは、あまり霧っていうのを毛嫌いしなくてもいいのではないかなぁとは、少しは思えるようになりましたね(笑)。ちょっとは亀岡も都会になっているんだなぁという気がしますのは、早く霧が明けるようになったこと。そして霧が早く明けると雨が近いんです。私は自分の体でそういうふうに感じるようになりました。

出演

  • 京都学園大学の学生のみなさん
  • 小原由美子さん(気象予報士)
  • 岩本修子さん(主婦、亀岡在住)
  • パーソナリティ:武田慶美
  • レポーター:謝花友子

制作スタッフ

  • ディレクター:高澤智美
  • 企画:謝花友子、知念夕貴
    渡邉諒祐、玉井沙織
  • 編集:上田久人
  • 音声:上田久人、上田直樹